大阪府 堺市鳳の原田耳鼻咽喉科 外耳道炎(外耳炎)

外耳道炎専門サイト | 原田耳鼻咽喉科

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頻繁に外耳道炎を繰り返している方へ
是非読んでいただきたい内容です。

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院長より


院長紹介

院長
医学博士(耳鳴りに関する論文で医学博士取得)
ラジオ・音響技能検定2級

略歴

1982年 近畿大学医学部卒業
  近畿大学医学部附属病院耳鼻咽喉科学教室入局
1991年 近畿大学医学部附属病院退職
1991年 原田耳鼻咽喉科医院開院
2006年 近畿大学医学部 非常勤講師

所属学会

日本耳鼻咽喉科学会会員
日本聴覚医学会会員
近畿大学医学部非常勤講師


院長より

それにしても日本人は、耳を“ひっかく”のが好きです。

綿棒あるいは耳掻きがない家庭はないのではないかと思います。

さて当医院では、「耳だれが出る」、「耳がかゆい」、「耳が痛い」と訴えて多くの方が来られます。

もちろん中耳炎の場合もあるのですが、圧倒的に外耳道炎のほうが多いのです。
(小児は除きます。)


原因のほとんどが耳掻きや綿棒で外耳道を傷つけて起こる感染です。

そういう方は、掃除のつもりで耳掻きや綿棒を使っているようですが、例外なく耳の中は汚染されています。

当医院ではできる限り外耳道の様子を電子オトスコープでお見せするようにしています。しばしばその汚さに仰天されます。

耳垢は奥に押し込まれ細菌感染でジュクジュク、外耳道は傷だらけで赤く腫れ、ときには鼓膜に汚い肉芽が盛り上がり最悪の場合は一面見事にカビが培養されています。

実は耳掻きや綿棒はほとんど害をなしているだけで掃除の作用はほとんどありません。


ですから冒頭で耳掻き綿棒で掃除できないので「掃除」ではなくて“ひっかく”という表現を使いました。

「百害あって一利なし」といっても過言ではありません。

それでも時々耳垢が取れるとおっしゃる方は確かにいます。

でも取れるのはごく一部でほとんどは取れないかあるいは奥に押し込んでいます。
また外耳道の表皮をはく離してそれを耳垢と勘違いしていることもあります。耳を見てみると耳垢はほとんどそのままで傷がいっぱい付いています。



写真1

耳掻きや綿棒で一切傷のついていない、正常な鼓膜の写真です。しかも奥には耳垢は全くありません。

写真2

過剰な耳掻きにより、外耳道(耳の穴)の骨が変形を起こし、外耳道を狭めています。

写真3

耳掻きによって、外耳道に炎症および出血を起こし、鼓膜にもその血液が付着してしまっています。


「じゃあ、それではどうやって掃除をすればいいのか?」とおっしゃる方がほとんどです。

そもそもこれは「耳は掃除をしなければならない」という一般常識に縛られている意見ですが、実は耳を掃除する医学的根拠はなく、実は医学的には耳掃除は非常識です。

耳垢は外耳道の皮膚の角質が剥離したもので、外耳道の出口付近にできます。それらは新陳代謝によって外側に運ばれ、ついには外に排泄されます。つまり耳垢はある一定以上増えないので原則的に掃除は不要です。

しかし、体質や老化によりその代謝がうまくいかない人は耳垢が溜まる傾向にあり、定期的な掃除が必要になります。その場合は、耳鼻咽喉科で掃除を受けるのが正しい対処法です。

 我々耳鼻咽喉科医が耳掃除をする方法は、まず内部をライトで明るく照らし、特殊な医療用ピンセットでつまみだすか、フック型のピックで引っ掛けて引き出すか、吸引するかあるいは洗浄液で洗い流すかの操作をします。

そうすることにより最小限の耳へのダメージでほぼ完璧に耳垢を除去することができます。

それに引き替え、耳掻きや綿棒は、盲目的にただやみくもに外耳道を引っ掻いているだけなので傷ばかりが付いてほとんどきれいになりません。


むしろ耳垢を奥に押し込んだり、
外耳道を傷つけ感染を引き起こす害のほうが多いのです。


私は耳鼻科医になってから耳掻きはしていません。

それでも外耳道の出口付近に少し耳垢があるだけで、内部はきれいな状態を保っていました。時々耳垢がぽろっとこぼれ落ちるのを自覚することもありました。

しかしゆく年月には勝てず、年のせいか最近では耳垢が溜まるようになり、自分で電子オトスコープで観察すると鼓膜が見通せないほどになっていました。(正直言ってショックでした・・・。)

いくら私でも自分では取れないので、後輩の耳鼻科医に取ってもらいました。
後でまた電子オトスコープで見てみると見事、完璧にほとんど傷つけずに取れていました。やはり耳掃除はプロに任せるべきだと確信しました。またいつ厄介になるか、時々自分の耳を見ようと考えています。

耳掻きや綿棒の害はこれだけではありません。外耳道の皮膚を慢性的に刺激すると外耳道真珠腫(がいじどうしんじゅしゅ)という恐ろしい病気を引き起こすことがあります。(詳細は外耳道真珠腫のページをご覧ください。)

皮膚は表面が角質層でおおわれています。
角質層が何らかの拍子に皮膚内部に入り込むと内部で角質が増殖し、層状の腫瘤(しゅりゅう)を形成します。拡大すると周囲の骨まで溶かし、破壊します。そうなる前に除去する必要があります。



真珠腫を除去して骨欠損を起しているところから出血している写真 骨欠損部の拡大

(左:真珠腫を除去して骨欠損を起しているところから出血している 右:骨欠損部の拡大)


しかし完全除去するには、健康な部分を含めて摘出する必要があります。よく耳かきをされる方で片方の耳だけがよく耳垢が詰まるという方は、真珠腫である可能性があるので要注意です。

耳掻きや綿棒の弊害について述べてきましたが、耳は触らないに越したことはありません。

耳掃除は原則的に不要です。


耳垢がたまる耳垢栓塞症の方は、耳鼻科で除去を行う必要があります。

「耳に水が入った時はどうするのか?」という質問もよく受けます。

綿棒でよくこする方がいますが、それをするくらいなら乾燥するまで放置しておいたほうがはるかに耳にとっては良いでしょう。

耳の中でゴロゴロする場合は、鼓膜と外耳道の狭いスペースに入り込んでいますのでどんなに頑張っても市販の綿棒で取り除くことはできません。細い吸引管で顕微鏡を見ながら吸引するしか取れません。

自然乾燥させるか、どうしても気になる場合は、来院してください。

耳掻きや綿棒はいかなる場合でもほとんど何の役にも立たないことをご理解いただけたと思います。

耳かきは屑かごに、綿棒は耳以外の用途にご使用ください。



原田耳鼻咽喉科 院長 原田昌彦